Tag: コンプライアンス 内部統制

概要

 三菱マテリアル株式会社・三菱地所株式会社の両社が旧三菱金属株式会社(現三菱マテリアル)の大阪精錬所の跡地に建設した大阪アメニティパーク(OAP)の土壌から基準値を超える重金属が検出されたことを認識していたにもかかわらず、そのことを告げずに1997年から2002年にかけてマンションを販売した。  三菱地所は1997年の総会屋利益供与事件を受け、1999年からヘルプラインを設置していたが、本件に関する通報はされていなかった。

企業への影響

 三菱地所、三菱マテリアルなどとOAP内の分譲マンション管理組合(455世帯)は、2005年、三菱側が購入価格の25%を補償し、希望者には買い取りに応じるとの条件で合意。補償総額は75億円程度とみられている。  また、三菱地所の社長、三菱マテリアルの会長が引責辞任。  国土交通省と東京都は、マンション販売の事業主4社のうち、三菱マテリアルを2週間、大林組を7日間、それぞれ宅建業法に基づく業務停止処分にした。

経営陣の責任(刑事事件)

 2005年3月、大阪府警が三菱地所社長、三菱マテリアル会長ら当時の幹部10人と法人としての両社を宅建業法違反(重要事項の不告知)で書類送検。同年6月、大阪地検は両社と両社幹部を起訴猶予処分とした。


Last-modified: 2020-02-25 (火) 02:02:16