概要 †2000年10月から12月にかけて、ダスキンが運営するミスタードーナツで販売されていた肉まんに国内で無認可の添加物が使われていた。ダスキンは2002年5月21日までこの事実を公表していなかった。 発覚の経緯 †2000年11月ごろに取引業者から問題について指摘されていたが、担当取締役が独断で当該業者に6,300万円を支払って隠ぺい。当時の社長らは2001年2月ごろに事実を知ったが、その後も公表は行わなかった。 2002年5月20日に大阪府の立ち入り検査が入ったため翌21日に公表。 企業への影響 †ダスキンに対して大きな社会的非難と加盟店に対する営業補償、信頼回復キャンペーン関連費用等の出費等の損害(約105億6,000万円)が発生。社長・専務らが引責辞任。 経営陣の責任(民事事件) †株主が取締役・監査役に対して責任を追及する株主代表訴訟を提起。2005年2月、大阪地裁は担当取締役2名に対し、約106億円の損害賠償責任を認める判決を下したが、控訴。2007年1月、大阪高裁は、「仮に販売を中止し、混入を公表しても信用回復のため一定の出費を要した」として、損害額の半額に口止め料として支払った6,300万円を加えた約53億4,000万円を支払いを命じる判決を下した。 隠ぺいに関与していない取締役・監査役11名に対しても、2006年6月、大阪高裁は連帯して約5億6,000万円の損害賠償責任を認める判決を下した。 不祥事の隠ぺいに積極的に関与しなかった取締役についても、「自ら積極的には公表しない」という方針を採り、消費者やマスコミの反応をも視野に入れた上で積極的な損害回避の方策の検討を怠った点において、善管注意義務違反があると指摘。 経営陣の責任(刑事事件) †法人としてのダスキンと、フード事業の担当専務、ミスタードーナツ担当の取締役ら3名が食品衛生法違反容疑で書類送検された。 |