Tag: コンプライアンス 内部統制 株主代表訴訟

概要

 大和銀行ニューヨーク支店の行員が1984年から1995年にかけて、銀行に無断で簿外取引を行い、11億ドルの損失を出した。経営陣は1995年7月に本人から告白を受けたが、帳簿に虚偽の記載を行い、隠ぺい。同年9月18日までこの事実を米当局に報告していなかった。

企業への影響

 大和銀行は米国においてFRBに対する詐欺の共謀その他の刑事訴追を受け、司法取引の結果3億4000万ドルの罰金を支払い、当該刑事事件を依頼した弁護士事務所へ1000万ドルを支払った。また、同行は米国での業務停止処分を受けた。頭取らは責任を取って辞任。

経営陣の責任(民事事件)

 株主が当時の代表取締役、ニューヨーク支店長の地位にあった取締役、その他の取締役、および監査役の責任を追及する株主代表訴訟を提起。  大阪地裁は、2000年9月20日、取締役会はリスク管理体制(内部統制システム)の整備を行う必要があり、個々の取締役には、取締役会の構成員として、リスク管理体制の整備を行う義務があるとして、それを怠った取締役に対して、総額829億円の損害賠償責任を認める。  2001年12月10日、大阪高裁で被告側の旧経営陣49人が総額およそ2億5000万円を大和銀行に返還するという内容の和解が成立。


Last-modified: 2020-02-25 (火) 02:02:15