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コラム「有用な『内部統制』を実現するために」

2007年3月20日 公開

弘希総合法律事務所 弁護士 今尾 元彦

第7回 全ての会社に求められる制度づくり(5)
効率的な業務執行のための工夫

 今回は、「取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制」についてご説明したいと思います。

取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制

 まず初めに、取締役の職務の執行が効率的に行われることが、なぜ「内部統制」に有用なのでしょうか。その理由は、取締役が全員で構成している取締役会の職務内容にあります。
 すなわち、取締役会の職務は、

  1. 会社の業務執行の決定
  2. 取締役の職務の執行の監督
  3. 代表取締役の選定および解職

であり、個々の取締役はその構成員ですから、個々の取締役の職務の執行が効率的に行われるようになれば、上記 (1) ~ (3) の取締役会の職務も、より迅速に、より適正に行うことが可能となります。

 例えば、どのような内部統制システムにするか自体、取締役会が決めることですし(上記(1))、代表取締役をはじめとする業務執行取締役が内部統制システムに従っているか監督することも取締役会の役割であり(上記(2))、さらに、代表取締役が内部統制システムに違反したときには解職する権限を有しているのも取締役会ですから(上記(3))、個々の取締役の職務の執行が効率的に行われることは、「内部統制」を実際に機動的に運用するために非常に重要であるといえます。

(1) 書面決議の活用
 従来、取締役会決議をするには過半数の取締役の出席が必要でしたが、平成18年に施行された会社法により、定款で定めれば、個々の議案について取締役の全員が書面又は電磁的記録により同意すれば取締役会決議があったものとみなされることになり、決議を省略できるようになりました。
 また、報告事項についても、3か月ごとの報告以外は、取締役及び監査役の全員に通知すれば、取締役会での報告は省略できることになりました。
 したがって、定款に定めてさえおけば、例えば、会社内で突発的な事故や違法行為が発覚したときに、多忙を極める取締役の過半数が一堂に会さなくても、会社における重要な決定を、書面又は電磁的記録のみで、タイミングを逃さずに決定していくことができます。
(2) 特別取締役による取締役会決議
 さらに、取締役が6人以上おり、かつ、社外取締役を置いている会社において取締役の3人以上をあらかじめ特別取締役に選任しておけば、重要な財産の処分・譲受けと多額の借財については特別取締役のみによる取締役会で決議することもできるようになっており、より機動的なシステムを構築することも可能になっています。

執筆者プロフィール

今尾元彦 近影

氏名
今尾 元彦 (Motohiko IMAO)
所属
弘希総合法律事務所
略歴
平成12年、弁護士登録。
大阪で活動後、平成18年9月、京都に弘希総合法律事務所を共同で設立。
取扱分野
企業法務、労務関係、公益通報者保護法、中国ビジネス支援


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