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コラム「有用な『内部統制』を実現するために」

2007年3月8日 公開

弘希総合法律事務所 弁護士 今尾 元彦

第6回 全ての会社に求められる制度づくり(4)
備えあれば憂いなし~リスクマネジメント~

 今回は、「損失の危険の管理に関する規程その他の体制」、いわゆるリスクマネジメントについてご説明いたします。

損失の危険の管理に関する規程その他の体制

 昨今、リスクマネジメントという言葉をよく耳にしますが、内部統制におけるリスクマネジメントとは、営業活動に伴うさまざまな危険が最小に止まるように管理し、かつ、いざ危険が現実化した際には適切に対応できるよう仕組みを整えておくことをいいます。
 日本では言霊思想の影響からか昔から、「縁起が悪い」などといって、リスクを正視して予測することを嫌う風潮があるように見受けられますが、近年、不祥事が露呈した企業の対応が後手に回った結果、損害が拡大していく事件が度重なる中、リスクマネジメントの重要性が次第に認識されてきています。

(1) リスクマネジメント規程の作成
 リスクマネジメントもまず方針をしっかりと立てる必要があります。
 総論である企業行動規範が比較的抽象的なものであるのに対し、リスクマネジメント規程は、より具体的に、当該事業の個々の活動にはどのようなリスクが潜んでいるか綿密に洗い出し、洗い出されたリスクをどのように管理するのか、当該リスクが現実化した際にはどのように対応をするのか、できる限り具体的に定めておくことが望ましいでしょう。
 古くは雪印事件、最近では不二家事件などを見れば明らかなように、リスクが現実化したときの対応の巧拙が、その後の企業の信用だけでなく、企業の存立までも左右しますから、このリスクマネジメント規程の作成は、内部統制システムの中でも特に念入りに行うべき部分であり、どれだけ力を入れても入れすぎることはないと思います。
 いざというときに頼りになるリスクマネジメント規程が、「強い会社」をつくるといっても過言ではないでしょう。
(2) リスクマネジメント委員会の設置
 リスクマネジメントは、ときとして企業の存立さえも左右する重要な分野ですから、これを社内の隅々にまで行き届かせ、かつ、いざというときに迅速に行動するために、リスクマネジメント委員会は、委員長を代表取締役とし、各部門の担当役員を委員とするような社内横断的な機関とすることが望ましいでしょう。
(3) BCPの策定
 最近は、阪神大震災などの自然災害発生リスクについても、被害を最小限にし、かつ、早急に復旧するためのマニュアルの設置(BCPの策定)を取引先に求める企業も多いようです。リスクマネジメントの要請は今後も強くなる一方でしょう。

執筆者プロフィール

今尾元彦 近影

氏名
今尾 元彦 (Motohiko IMAO)
所属
弘希総合法律事務所
略歴
平成12年、弁護士登録。
大阪で活動後、平成18年9月、京都に弘希総合法律事務所を共同で設立。
取扱分野
企業法務、労務関係、公益通報者保護法、中国ビジネス支援


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