コラム「有用な『内部統制』を実現するために」
2006年12月12日 公開
弘希総合法律事務所 弁護士 今尾 元彦
第3回 全ての会社に求められる制度づくり(1)
全社に周知させる~方針の定立~
「内部統制」システムの内容
前回まで2回にわたって、実質的な「内部統制」システムを構築する必要性についてご説明してまいりました。いよいよ今回から、具体的な「内部統制」システムの内容についてご説明していきます。
まず法が提示している「内部統制」システムは、大きく分けて、(A) 監査役の有無にかかわらず有用な体制と、(B) 監査役を設置している場合にこれをより強化するための体制に分けられます。それでは、先に、(A) 監査役の有無にかかわらず有用な体制から整理していきましょう。
取締役及び使用人の職務の執行が
法令及び定款に適合することを確保するための体制
- (1) 企業行動規範の制定
- 最初に着手しなければならないことは、会社として、「内部統制」システムを導入することを宣言し、その方針を定めることです。いわゆる企業行動規範の制定がこれにあたります。
- (2) コンプライアンス委員会の設置
- 次に、制定した企業行動規範を実際に運用するための専門部署を設ける必要があります。いわゆるコンプライアンス委員会の設置です。
もちろん、制定した企業行動規範は役員及び従業員全員が遵守し、これを実施していくわけですが、これを先導し、ときに従業員らを教育し、ときに彼らを監視、監督する専門部署を設置することにより、「内部統制」システムの浸透は飛躍的に向上します。 - (3) 実効的な内部通報制度の設置
- さらに、社内の不適切な事態や状況を早期に把握し、事態の悪化を未然に防ぐというリスクマネジメントの面からも、当該事態が発生した教訓を「内部統制」システムの更新に生かしていくという「内部統制」システムの実質化の面からも、実効的な内部通報制度の設置は欠かせません。
この内部通報制度は、実効的な運用がなされなければ、あまり意味がありません。次回は、内部通報制度を実効化するための方策についてご説明いたします。
