「1Q84」、脅威の売上
[金澤 貴司]
今日、本屋さんに行った人はご存知でしょう。
脅威の売上で社会現象になる可能性すらあるもの。
それが「1Q84」。
作家、村上春樹の新作長編「1Q84」(全2巻)が5月29日に発売されました。
発売前から予約が殺到し、29日を迎える前に増刷が決定するという異例の事態にまでなったそうです。
そして発売された今日、4刷の増刷が決まり、発行部数は2巻計68万部に到達したとの事。
早期のミリオンセラー達成は確実とみられています。
先行発売した首都圏と関西地区は、27,28両日だけで実売部数は推計約10万部という事ですから、通常の小説には有り得ない売れ方です。
僕も、村上春樹は大好きでほとんどの本を持っていますが、いわゆる文芸評論家の間では評価が分かれている作家です。
世界的には評価され、数十カ国で翻訳・販売されています。
それでも日本国内ではそれほど何か大きな勢いを感じる事は少なかったのではないかと思います。
本人がメディア嫌いで姿を見せない事や、映画化して興行的に成功するような類の本を書く作家でない事などなどの要因で、ハルキストと言われる熱狂的なファンはいるものの社会的ブームを引き起こす事は無かったと思います。
それが今回は、長編小説としては5年ぶりの新作である事に加え、内容が一切オープンにされなかったという事もあり、前例の無い売れ行きとなっています。
落ち込んでいる出版業界はもちろん、日本全体の活気を取り戻すような起爆剤になるかもしれまんせんね。
2010年には国内累計発行部数920万部を記録しているロングセラー小説「ノルウェイの森」が映画公開されますし、年内には太宰治の「人間失格」が控えています。
携帯小説の影に隠れ存在感が薄くなりつつあった純文学が、ふたたび隆盛期を迎えるかもしれません。
これが一過性のものでなく、文学の見直しにも繋がれば個人的には嬉しいですね。
また、経済効果としても良い影響を与えてくれる事を願っています。
良い読書は、人生を豊かにする。