京阪電車 テレビカーの終焉
[金澤 貴司]
悲しいお知らせです。
ついに、テレビカーが2011年までに廃止される事が決定しました。
そう、ファンの方ならもうご存知でしょう。
京都と大阪を結ぶレール上のシルクロード、京阪電車の話です。
京阪電気鉄道は、テレビがみられる特急車両「テレビカー」から、
2011年までにテレビをすべて取り外すと発表しました。
かつてはプロ野球や大相撲の中継に立ち見が出るほど人気だったテレビカーも、
「ワンセグ放送を受信できる携帯電話などに押されて利用者が減っており、
役目を終えたと判断した」(上田成之助社長)と、時代の流れと共に無くなってしまうのです。
これは、京阪ファンだけでなく、電鉄ファンにとっては非常にショッキングなニュースでしょう。
また、日本の電鉄業界に於いても大きな損失であると思います。
1954年に登場し、地中にアンテナを張って電車内でもテレビが見れるようにした。
これは先進的な試みがあるでしょうか?
僕は電車という乗り物が嫌いでした。
幼少の頃、無差別に、無神経に多くの人がすし詰めになっている乗り物が信じられませんでした。
乗ると決まって気分が悪くなっていたのを覚えています。
高校に入学したのと同時に、地下鉄で通学するようになりましたが、
やはり三年間不快な思いは拭えませんでした。
そんな僕が、大学への通学で京阪電車を乗るようになり、変わったのです。
それまでの地下鉄の薄暗く閉塞的な空間から、車窓に流れる色とりどりの景色が与える開放感。
大阪から京都へと町並みが変化していく高揚感。
ダブルデッカー(二階建て車両)が見せる非日常的臨場感。
そして、テレビカー。
これらは僕の電車に対する嫌悪感を見事に払拭してくれました。
京阪電車に限って言えば、乗るのが好きになったくらいです。
JRや地下鉄のように暴力的な急カーブも無ければ、不安感を誘う揺れもなく、
非常に安定した走行でとても心地いいのです。
クッションは弾力性に優れ、車両は安定した静粛性を保持しています。
正直、これ以上無いくらいの電車だと思っています。
何時間でも乗っていたい。そう思わせてくれる唯一の電車です。
でも、そんな京阪電車にも時代の波は容赦なく襲い掛かるのですね・・・。
さようなら、テレビカー。