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Good Design is Good Business.
[大倉 健志]

docomo

 先日、PAOSの中西元男氏のブログに、大変興味深い記事が掲載されていました。
 タイトルは「DoCoMoどうした?」。

 旧NTTドコモのCI構築を手がけられた中西氏による、ドコモの新CIに対する苦言です。
 非常に優れた記事であるとともに、考えさせられる点が非常に多くありましたので、ご紹介させていただきます。

IBMは、第二次大戦直後の20世紀半ばから、常にデザインを積極的に経営の中に採り入れてきた企業として有名です。「われわれは、貧弱な製品をデザインで良く見せようとは考えていない。(中略)Good Design is Good Businessでなければならない」とは、同社の強固な地位を築いた名経営者Thomas J.Watson Jr.の言葉ですが、人に人格があるごとく企業にも格と言える理念や方針がなければならないとしたWatson Jr.の長期展望に基づいた個性構築や表出が、脈々と今日に至る同社のブランド・エクイティを築いていったと言えます。
(「中西元男公式ブログ | 中西元男 実験人生: DoCoMoどうした?」より)

 「Good Design is Good Business」。
 至言であると思います。
 企業の根幹ともいえる企業理念や事業方針が「格」としてあってこそ、ブランドは作られるのでしょう。
 そして、そこに優れたデザインが加わることで、より強固なブランドとなっていくのです。

 しかし、ブランドが置き去りにされ、デザインだけが先行してしまったり、見た目だけが変わっている企業のなんと多いことでしょうか。
 CIとは、Corporate Identityであり、企業にとってその独自性や固有性を表現するものです。
 したがって、そこに理念や方針といった「格」がなければ、単にロゴの見栄えだけを変えても何の意味もなさないのです。

 ドコモの新ロゴが今年4月に発表されたときに、「なんだこれは…?」と感じていたこととは、そこにドコモの「格」が見えなかったからであると思います。
 「DoCoMo 2.0」キャンペーンのときもそうでしたが、「ずれている…」と感じていたのは、私だけではなかったと思います。

そもそも歴史的に見ても秀作と呼ばれているデザインやブランドの名品には、優れた造形的完成度とそこから発せられる快い緊張感が醸し出されていると言えます。それ故に、それらは何十年、時には100年もの長い生命力を保てるのです。それができてこそ、「長期的なブランド戦略が企業にとっては重要」とか「ブランド戦略とは企業価値を上げる」との論も筋が通るというものです。
(「中西元男公式ブログ | 中西元男 実験人生: DoCoMoどうした?」より)

 IBMやCoca-Colaはもとより、このように語っている中西氏が手がけられた数々のCIには、これが体言されていると思います。
 ブランディングとは、一朝一夕になされるものではありません。
 別の記事で、「10年レンジの取り組み」と語られていますが、このような長期的な視野を持って取り組んでこそ、真にブランド戦略足りえるのだと思います。

 よく、“いいデザイン”を持ってきて、と言われる方がいます。
 いいデザインとは、何をもって「良い」と判断するのでしょうか。
 デザインは単に見た目だけのものではありません。
 そこに理念や方針のないデザインなど、単なるお絵描きでしかないと思います。

 私が学生時代に、「デザインの語源は、『計画』である」と教わったことがあります。
 計画──プランやビジョンのないデザインは、デザインではないのです。

 デザインは軽んじられるべきではありません。
 しかし、デザインよりももっと大切なことは、「格」を持つことであると思うのです。


 最後に、今回のエントリーを書かせていただくきっかけとなった中西元男氏のエントリー「DoCoMoどうした?」は非常に秀逸な内容となっていますので、ぜひ一人でも多くの方に目を通していただきたいと思います。

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