忙しさの中に何を求めるか
[大倉 健志]
M1・F1総研から興味深い調査結果が出ていましたので、ご紹介します。
今回のテーマは、「忙しいサラリーマンの立ち寄り行動」です。
仕事や遊びに忙しく、メディア接触時間が他世代よりも短いと言われているM1世代。M1・F1総研Rでは、M1の中でも特に仕事の終業時間が遅い層に焦点を当て、忙しいサラリーマンの平日の立ち寄りと休日の行動を調査した。彼らはM1の中でも特にメディアへの接触が少なく、アプローチが困難な層であると考えられる。彼らとのコンタクトポイントやそのときのマインドを把握するための参考にしてもらいたい。
(「M1・F1総研トピックレポートVol.12 (PDF)」より)
私たちも終業時間が遅い層に入り、普段立ち寄るところと言えば、コンビニが圧倒的に多いような気がします。
今回のレポートでは、
終業時間の遅いサラリーマンは終業時間の早いサラリーマンに比べて、休日、平日の終業後、活動的に行動することが分かりました。
(「M1・F1総研: 2008年6月25日 トピックVol.12「忙しいサラリーマンの立ち寄り行動」発行」より)
とあるように、終業時間の遅いサラリーマンほど活動的だと報告されています。
これは、忙しいほど、効率性や利便性を求めることに起因するのではないか、とのことですが、忙しいからと言って効率性や利便性ばかりを求めているのではないことが、休日の外出行動調査からわかっています。
忙しいサラリーマンは、休日には「百貨店」や「公園」、「映画館」、「カフェ」などに出かけるようですが、終業時間の早いサラリーマンとの比較でもっとも差が大きかったのが「百貨店」です。
百貨店を利用する理由として、「昔から利用している」や「お店がきれい」、「店員の接客がよい」などがあげられており、利便性や効率性よりも、情緒的なベネフィットを求めていることがわかります。
個人的な経験からも、百貨店は好んで利用していますが、長い付き合いによる店員さんとの関係性から、自らの好みなどを把握した上での提案がもらえるなど、安心感によるところが大きいと感じています。いくら商品がよくても、スペック(仕様)だけでは購入に至る動機としては非常に弱いものがあるのです。
今回のレポートの結論として、以下のようにまとめられています。
一方、休日にはまとまった時間がとれるため、「百貨店」や「映画館」によく出かけている。しかし、終業時間が早いサラリーマンに比べて「百貨店」には落ち着いて買い物ができる価値を期待している。また、休日には「公園」にも比較的外出していることが分かった。“ハレ”の休日というよりも落ち着ける“癒し”の休日を求めている傾向があると考えられる。このことから忙しいビジネスマンに休日に足を運んでもらうためには、落ち着ける空間やホスピタリティのあるサービスを用意することが有効と考えられる。
(「M1・F1総研トピックレポートVol.12 (PDF)」より)
自らを省みても、癒しやホスピタリティのある休日を求めているのだと、改めて思うことができました。
このように考えると、既存のサービス業においても、多くのビジネスチャンスが広がっているように思えます。低迷するホテル業界においても、ビジネスマン向けのサービス展開を考えられるでしょう。
人気のカフェ等においても、もっとリラックスできる座席であったらいいのに、と思うことは少なくありません。
流行を生み出すF1層の女性に注目が集まりがちですが、M1層も見逃せない存在であると、まだまだM1層の私も強く主張したいと思います。