ブランディング22の法則
[大倉 健志]
『ブランディング22の法則』という本を読みました。
1999年に発刊されたブランディングに関する定番とも言える本ですが、ようやく読むことができました。
この本については、ネット上の書評を見ても賛否さまざまですが、ブランドとは何か、ブランディングとは何か、をこれから知っていく、学んでいく人にとっては非常によい本であると思います。
一部ご紹介しながら、今回のエントリーをまとめていきたいと思います。
マーケティングとは見込客のマインド、つまり頭の中にブランドを築き上げることである。(中略)
マーケティングとはブランディングである。この二つのコンセプトはしっかりとリンクされていて、切り離すことは不可能である。そして企業が遂行する業務はすべてがブランド構築プロセスに何らかの貢献をしているので、マーケティングを孤立した機能として考えることはできない。
マーケティングは企業がなすべき業務そのものである。マーケティングは企業の究極的な目標である。会社で働く者すべてがマーケティング、とりわけブランディングの法則に関心を寄せるべき理由がここにある。
(アル・ライズ/ローラ・ライズ共著『ブランディング22の法則』東急エージェンシー、1999年、8~9ページ)
「ブランディング」は、マーケティングと切り離すことができないもの、そして、ブランディングは全社員が取り組むべき課題であると。
強力なブランドがあれば、顧客にとって購買に達するための大きな動機を与えることにつながります。
そのブランドは、企業の中に根付いてこそ、真にブランドたり得ると言えるでしょう。
この本の中では、さまざまな事例を通して、22の法則が語られています。
著者の経験則から、一定の法則を見いだしてまとめられていますが、さまざまな企業がブランディング戦略において間違いを犯し、ブランドを大きく損ねてしまったことについても触れられています。
それほど、ブランドを高める、ブランドを根付かせるということは難しいということだとも言えます。
1つの結論とも言えるのが、「オンリーワン」になること、ではないでしょうか。
今日、ブランドは生まれ出るものであって、作られるものではない。新しいブランドにはメディアでの好意的なパブリシティを生み出す力がなくてはならないのである。さもないと市場でのチャンスはないといっていいだろう。
ではいったいどのようにしてパブリシティを生み出せばいいのだろうか。パブリシティを生むベストな方法は一番手になることである。言い換えると新しいカテゴリーにおける一番手のブランドになることだ。
(アル・ライズ/ローラ・ライズ共著『ブランディング22の法則』東急エージェンシー、1999年、47ページ)
他社と同じ市場で競争をしようとしても、比較の末に価格競争に陥ってしまうことは目に見えています。
No.1であることも、ブランドにとって大きな意味を持ちますが、「○○といえば△△」というイメージを顧客の中に築くことができれば、それほど強いものはありません。
「一番手」になるということも、「オンリーワン」になることと同義だと考えますが、ブランディングの過程にあってパブリシティの重要性はいうまでもありません。
「広告」の力は、「広報」によって高められたブランドにこそ有効であって、ブランドのない企業が広告をおこなったとしても、その効果はそれほど大きいものにはなりません。
それだけブランドの力は偉大であるということだと思います。
本書の中では、22の法則が挙げられていましたが、それを以下にご紹介したいと思います。
これを押さえておくだけで、この本の8割は理解できたと言えるかもしれません。
- 拡張の法則
- ブランドの力はその広がりに反比例する
- 収縮の法則
- フォーカス(焦点を絞り込む)する時、ブランドは強力になる
- パブリシティの法則
- ブランドが誕生するのは広告ではなく、パブリシティによってである
- 広告の法則
- いったん誕生したブランドは、その健康を維持するために広告を必要とする
- 言葉の法則
- ブランドは消費者の頭の中に自分の言葉を所有する努力をすべきである
- 信用力の法則
- あらゆるブランドの成功の鍵を握る要素は本物訴求である
- 品質の法則
- 品質は重要だけれど、ブランドは品質だけで築かれるものではない
- カテゴリーの法則
- リーディング・ブランドはブランドではなく、カテゴリーを売り込むべきだ
- 名前の法則
- 結局のところブランドとは名前のことである
- ライン延長の法則
- ブランドを破壊する最も簡単な方法は、あらゆる商品にそのブランド名をつけることである
- 強調の法則
- カテゴリーを築くには既存ブランドが他の競合ブランドの参入を歓迎する必要がある
- ジェネリックの法則
- 失敗に至る一番の近道はブランドに総称的な名前をつけることである
- 企業の法則
- ブランドはブランドであり、企業は企業である。両社の間には大きな違いがある
- サブブランドの法則
- ブランディングによって構築されたものがサブブランドの導入によって破壊される場合がある
- 兄弟の法則
- 第二のブランドを発進させるには時と場所を選ばなくてはならない
- 形状の法則
- ブランドのロゴタイプは目にフィットするようにデザインすべきである。両眼にである
- 色調の法則
- ブランドは競合とは反対の色を使うべきである
- 国境の法則
- グローバルなブランド構築に障壁はない。ブランドに国境があってはならない
- 一貫性の法則
- ブランドは一夜では築かれない。成功は何年単位ではなく、何十年単位で測定される
- 変更の法則
- ブランドは、ごく希に、そして細心の注意を払えば変更できることがある
- 寿命の法則
- どんなブランドにも永遠の生命はない。多くの場合、安楽死がベストな答えである
- 特異性の法則
- ブランドの最も重要な側面は一つのものを追い求めるひたむきさである
この本は、ブランディングを改めて認識するよいきっかけを与えてくれました。非常に読みやすいですし、オススメです。
→ 『ブランディング22の法則』 (Amazon.co.jp)
