Webデザインの「プロだから考えること」
[大倉 健志]
『Webデザインの「プロだから考えること」』という本を読みました。
著者は、以前「NIKEiD JASARI」のプロモーションを取り上げたエントリーでもご紹介した .spfdesignの鎌田貴史氏、電通の中村洋基氏、ザ・ストリッパーズの遠崎寿義氏など、そうそうたる顔ぶれです。
レビューとまではいきませんが、この本で感じたことを、今回は取り上げたいと思います。
Amazon.co.jpでこの本を見つけたときに興味を惹かれたのは、
「伝えたい相手に、伝えたいことが、ちゃんと伝わるWebデザインとはどういうものか」がわかる1冊。
と書かれていたからでした。
著者が名だたるメンバーであったこともそうですが、日頃、Webにおいて「伝えたい相手にちゃんと伝える」ということがどれほど難しいことであるかを痛感している身であるため、第一線で活躍している彼らが何を考えているのかを知りたいと思ったのです。
読んでみて、さすがだな、と感じたものです。
彼らが取り組んでいるプロジェクトは本当に大きなものばかりですが、それはプロジェクトの大小によって変化するものではなく、「プロ」として真摯に取り組む姿をかいま見ることができたことは大きな収穫でした。
一部をご紹介したいと思います。
まずは鎌田氏の言葉から。
Webサイトでは「見たい」というモードにないユーザーに対して、伝えたいことを的確に伝えなくてはいけない。そのために必要なのは、とにかくシンプルであることです。伝えたいことをできるだけ簡潔に表現する。そうすることで、ユーザーの興味を瞬間的にがっちりとつかむことができます。
いってみれば、広告としてのWebサイトは、シンプルであればあるほど強いということです。
(『Webデザインの「プロだから考えること」』インプレスジャパン、2008年、33ページ)
シンプルであること。
それは「誰にもわかりやすい」、ということでしょう。
考えないとわからないものは伝わらない。
シンプルに、シンプルに。
余計なものをそぎ落としながら、本当に伝えたいことは何なのか、それを突き詰めていくこと。
鎌田氏は、シンプルさの基準を「説明しやすいかどうか」に置いているようです。
自分が説明しやすいものでなければ、ユーザーにとっても理解しやすいものではないのは自明です。
そのためにはシンプルである必要があるわけです。
ともすれば、余計なものをたくさんつけて、かっこよくしようとしたり、凝ったものに見せようとしたり、高尚なものであるかのようにしがちです。
「伝わる」ために本当に必要なものは何か、より伝わりやすくするために必要なものは何か、常に問いかけていきたいと思います。
続いて中村氏の言葉。
人に感銘を与え、態度の変容を起こさせるWebサイトは素晴らしい。数百万から数千万もかけてつくるWebサイトならば、せめて、もし自分がユーザーだったら、感情になんらかの変化を起こすだろうか、とつねに考えるようにしたい。
きっと、それがブランディングということなのだ。
(『Webデザインの「プロだから考えること」』インプレスジャパン、2008年、57ページ)
これは金額の大小ではありませんね。
ユーザーの感情に訴えかけるWebであり、かつ感情に変化を起こさせるWebが、本当に価値のあるWebであると言えます。
「ブランディング」は、ユーザーに好感を持ってもらうことから始まります。
そのためには、まず自分だったらどうだろうか、と常に問いかけることを忘れてはいけないと思います。
得てして、Webは自己満足に陥りやすい媒体です。
冷静になって、客観的に自社のWebを見返してみるとどうでしょうか。
本当に伝わるWebになっているでしょうか。
エンブリッジのWebもわかりにくいWebです。
何をやっている会社なのか、何を強みとしている会社なのか、エントリーしてくれる学生にもわかるものでなければならないと思います。
リニューアルまであと少し。
もうしばらくお待ちくださいね。
読み終わった後に気づいたのですが、鎌田氏も中村氏も私と同じ1979年生まれ。
同世代というわけです。
負けていられませんね。
よければ、皆さんもぜひ手にとってお読みください。
私は、胸につかえていたものがすっと取れたような気がしました。
あとは実践あるのみ!
→ Webデザインの「プロだから考えること」 (Amazon.co.jp)
