孤独力
[金澤 貴司]
ひとりでいる事が好きです。
昔からひとりで行動するのが好きでした。
毎日、誰かとずっと一緒に居るのが苦手で、平日は学校とクラブ活動で友達と一緒です。
これに加えて土日などの休日まで誰かと一緒に過ごす事になると、
相当息詰まっていたのを覚えています。
それは大人になった今でも全く変わりません。
土日の二日間とも誰かと約束を入れるという事はほとんどありません。
ですから、「スケジュールが空いていると不安」であるとか、
「暇になるとついつい友達に電話してしまう」という感覚が僕にはありません。
そして、こういう話をすると7~8割くらいの人が
「暗い」、「変わっている」という印象を持ちます。
自分でも、そうなのかなという気持ちでいました。
ここに非常に興味深い記事があります。
津田和壽澄という方は、コンサルティング会社を経営する傍ら孤独学の研究をしています。
津田さんが提唱している孤独学によると、「孤独」には二つの側面があるそうです。
一つは、「寂しい」、「一人ぼっち」というネガティブな側面。
もう一方は、「一人の時間に自分のを取り戻す」、「勇気や決断を得る」といった
ポジティブな側面です。
津田さん曰く、独りでいる時間は「心ののりしろ」として必要だと言っています。
何もせずにぼーっとしている「余白の時間」にこそ自分自身を高める働きがあると。
発達心理学の中で、「人が十分に発達する上で一人の時間が必要である」とされており、
勇気や決断力が湧く、考える力が高まるなどの効用があるとの事です。
そして、体のメカニズムとしてそれは誰にでも備わっているそうです。
心理的、医学的、社会学的に効用があると認められているという事ですから、
最近、巷でよく見かける「○○力」といった商業書籍とは一線を画していると言えそうです。
以前、睡眠中も脳が休んでいるのは限られた時間だけで基本的には起きている時同様、
活発に働いているという話を脳科学者として有名な茂木さんの本で読んだ事があります。
起きている時に人間はとてつもない量の情報をインプットしており、
眠っている間に脳がそれらの情報を整理しているといった話です。
津田さんの孤独学もこれと共通する部分があると思います。
確かに、美術館で絵を観たり、映画を観た後は特に独りで居たくなります。
失恋などした後は一週間は誰とも会いたくありません。
津田さんの言葉を借りればこれら独りで居る時間は、
「知識と経験を知恵に発酵させるために」必要な時間であり、
「心の丈を伸ばす」時間なのでしょう。
ビジネスに置き換えても同じ事です。
日々、新しい物事を体験しているのですから独りの時間は必要です。
また、ネット時代に於いては、今まで以上に多くの情報をインプットしています。
それらを良質のアウトプットに変換する為には独りの時間や睡眠時間が必要不可欠です。