AXISフォントの新シリーズ「AXIS Condensed」
[大倉 健志]
久しぶりのフォント特集です。
今回ご紹介するのは、先日販売が開始された「AXIS Condensed」です。

長体に変形させるのではなく、長体で設計された日本語書体。それがAXIS Font Compactシリーズです。欧文のファミリーには、Condensed, Compressedと呼ばれる長体の活字書体があります。一方、和文のファミリーには、金属活字の時代に長体明朝が辞書などに使われていた例をのぞいては、設計の時点から長体でデザインされた和文フォントは初めての試みとなります。
(「Type Project > AXIS Compact > コンセプト」より)
AXIS fontは、その名の通り、雑誌『AXIS』のために設計された日本語書体ですが、そのやわらかく美しいフォルムに愛用者も多くいらっしゃいます。
今回リリースされた「AXIS Condensed」は、その長体版ともいうべき書体で、最初から長体になるよう設計されているため、非常にバランスもよく視認性も高い書体となっています。Familyとしても、UltraLightからBoldまでそろっており、本文用から見出し用まで幅広く使用することができるのではないでしょうか。
AXIS Fontの特徴は、英数字も和文と合うように、ベースラインや大きさが揃えられているところにあります。
多くの日本語書体は、英数字とのバランスが悪く、欧文書体と混植することが多いのですが、最初から和文と合うように設計されているため、非常に使いやすいのです。
私が好んで使用する「ヒラギノ角ゴ」には「Universe」を、「ヒラギノ明朝」には「Adobe Garamond」を合わせることが多いです。
先日ご紹介した「メイリオ」は、「AXIS」と同様、和文と合うように「Verdana」をベースに欧文も設計されていますので、使いやすいと言えるでしょう。
皆さんが普段目にする雑誌等でも、日本語書体に別の欧文書体を合わせて組版されていることが多いので、一度注意してみるとおもしろいかもしれません。
日本語は、普段メールを打つときもそうですが、書類や企画書を作成するときにもよく使います。
この日本語の美しさが、その文章や書類の出来をさらに高いものにしてくれることを忘れてはいけないと思います。
美しい日本語書体で書く(タイプする)文章は、書いていて筆が進み、気分もよいものです。
たかだか書類とは言え、読む気になるもの、ならないものがあるように、レイアウトの仕方と同様、フォントの選び方次第で大きく異なってきます。
企画書を作成するときも、Windows標準であれば、「MS Pゴシック」ばかりを使うのではなく、見出し部分には「HGP創英角ゴシックUB」などを使うことで、画面にメリハリも出ます。
つまり、書体の選び方一つで、与える印象に大きな違いが出てくるということです。

AXIS Fontの話からは大きくそれましたが、本来の意味でのCI (Corporate Identity) を考えていくのであれば、社内文書で使用する書体にも規定があってもよいぐらいだと思います。
それによって、一貫したブランドイメージを保つことができるからです。
AXIS Fontは、雑誌『AXIS』のイメージも強いですが、洗練された印象とともに、雑誌で本文用に設計されているため、本文用書体として非常に使いやすくなっています。
今回の「AXIS Condensed Regular」と「AXIS Regular」は、収録されている文字数が少なくなっていますが、試用版としてダウンロードできますので、一度AXISの世界を体感されてはいかがでしょうか。
