一応確からしい…?
[臼井 友章]
今回の参院選でも争点の一つになりそうな年金問題について、領収書など年金保険料を支払った証拠がない人への年金給付を審査する第三者委員会が、給付の是非を判定するための基本方針を決めました。
それによると、原則として本人の主張が「明らかに不合理ではなく、一応確からしい」場合に支給対象とするようです。
しかし、「一応確からしい」という基準は、あまりにあいまいでわかりにくいというのが、一般の方の印象ではないでしょうか。しかし、この第三者委員会の委員長が元日弁連の会長であることに着目すると、この「一応確からしい」という言葉にも、それなりの意味があるのです。
「一応確からしい」というこの言葉、法律用語では、「疎明」という言葉の説明の中で出てきます。「疎明」とは、裁判官に対してある事実の有無について一応確からしいという程度の事実判断をさせる立証をいいます。
通常、事実の有無を証明する場合、裁判官に対してその事実の有無について確信させる程度の立証を行う必要がありますが、それに比べると疎明はかなり緩やかでよいということになるわけです。ざっくりというと、証明の場合にはほぼ100%の事実判断をさせなければならないのに対して、疎明の場合には60~70%くらいでよいというイメージでしょうか。
このように説明されれば、何となく伝わるとは思うのですが、市民に対して公表する基準として「一応確からしい」といわれても、やはりわかりにくいと思います。これも一種の業界用語だと思いますが、市民に公表する場合には、もっと配慮が必要ではないでしょうか。