非日常の愉しみ方
[金澤 貴司]
先週の土曜日に、映画を観ました。
友人が配給会社で働いているので、よく試写会に誘われるのです。
今回は、
「図鑑に載ってない虫」という映画の公開初日という事で、
監督の三木聡、テーマ曲を歌っているナイス橋本が舞台挨拶に来ていました。
ストーリーはと言いますと、
ひとりのルポライターが、死んでも生き返るという謎の“死にモドキ”を探し、
奇妙な人々と出会うロードムービーです。
話の大筋としては、”死にモドキ”という謎の生命体を探す旅なのですが、
それは建前のようなもので、ストーリーを引っ張るのは脚本に三木監督らしい笑いの世界と、
奇想天外なキャラクターが織り成すハプニングの連続です。
映画全体を70年代のアメリカンロードムービー風の独特の世界感で構築されており、
何が飛び出すか分からない予測不可能なストーリー展開が楽しめる映画です。
ただ、この映画はナンセンスな笑いの要素も含まれていますので、
好き嫌いが分かれる映画だと思います。
僕は、この映画を推薦したくて書いているのでは無く、
招待してもらった配給会社の友人に無理に書かされている・・・
という訳でもありません。
この映画は、場面ごとに多種多様な世界観を構築しています。
それは、異次元へ繋がる洞窟であたり、怪しげな出版社であったり、
あるいは恐怖の見世物小屋であったりします。
その場面ごとに奇妙なキャラクターが登場し、ハプニングと笑いが起こります。
ですから、場所が変わるごとに全く違った雰囲気や感触を感じる内容になっており、
観客は、ジェットコースターのようにそれらを味わい、「生と死」という重いテーマを
喜怒哀楽と共に抵抗無く咀嚼できるつくりになっています。
そして、僕が注目したのも、やはりこの映画が持つ独特の世界観です。
ここには前述したようなおよそ現実離れした世界が広がっています。
それは、時にバカバカしくもあり、おどろおどろしくもあり、時に切なくもあります。
ただ、どれも、ありそうでなさそうな世界がそこにはあります。
90分間の疾走を経て、本当に観客はひとつの旅を終えたような感慨に浸る事が出来ます。
うだるような暑さが続く夏。
非日常の世界へ、旅に出てみませんか?