SEOの未来と「パーソナライズド検索」
[大倉 健志]
今回は、前回取り上げると言っていた、Googleの「パーソナライズド検索」およびYahoo!の「ソーシャル検索」について取り上げたいと思います。
これまでの検索エンジンは、どのユーザーにも同じ検索結果を返していました。GoogleやYahoo!も、独自のアルゴリズムに基づいて検索結果の順位づけをおこない、それによってユーザーのニーズに応えようとしていました。
しかし、このモデルが変わりつつあります。

私とあなたが、同じキーワードで検索したとしても、同じ検索結果が表示されるとは限らないのです。
Googleは2007年2月から、Googleアカウントを取得したユーザーに対し、「パーソナライズド検索」が標準となるようにしました。Yahoo!では──まだアメリカだけですが──「Yahoo! MyWeb2.0」が実験的に始められています。
つまり、ユーザー個人個人の趣向や傾向に合わせて、検索結果が変わってくるということなのです。Googleアカウントを取得しているとGoogleで自分が検索した結果が、統計的に記録されているのを見ることができます。
Googleは、これらの検索履歴を元に、「パーソナライズド」された検索結果を提供しているのです。
これらが意味するところは何でしょうか。
もうお分かりではあろうが、リスティング広告は、「予算を投入すれば必ず上位に広告が掲載されるという事はない」し、「ユーザーに支持されない広告は掲載そのものが難しい」状態ですらある。SEO は「同じキーワードでも人によって検索結果が異なる」流れが進み、検索結果の順位にのみこだわる SEO もいずれ終焉を迎える事だろう。
(「"ユーザー"にシフトし続ける検索エンジン - Japan.internet.com」より)
そうです。これまでのSEOやSEMが通じないということなのです。
真にユーザーの興味を惹き、支持されるWebであれば、これらの変化もたいした問題ではありませんが、SEOによって上位表示を狙おうとしても、小手先の対策では意味がないということです。
ユーザーにとっては、意図しない検索結果や質の低い検索結果が減少することにつながり、そのメリットは計り知れないでしょう。
前回のエントリーでも取り上げた株式会社アイレップの渡辺隆広氏は、MarkeZineのコラムで以下のように言われています。
誤解しないでいただきたいのは、私はSEOそのものが不要になると言っているわけではない。検索エンジンから見つけやすくする(ファインダビリティ)ための施策、検索ユーザのトラフィックを顧客に転換する(コンバージョン)のためのマーケティング施策全般は今後も必要であることは変わりがない。
ただ、SEOの良し悪しのものさしとして順位を使う―それは世界中のSEOマーケッターが最も好むものさしだが―ことの意味がなくなってしまうということだ。至極当たり前のことであるが、「検索経由でどの程度のトラフィックを獲得できているのか」「そのSEOに投資している予算はコストパフォーマンスが適当なのか」「きちんと企業の収益に結び付けられる施策が行われているか」など、本来ビジネスを評価すべき指標をきちんと用いて判断する時代がもうすぐSEOの世界にも到来しつつあるということを認識する必要があるのだ。
(「MarkeZine:◎「検索ランキング至上主義によるSEO」が終わる日」より)
SEOは、ただ検索結果の上位に表示させるということではありません。
上位に表示させることによって、ユーザーの厳しい評価を受けることになり、よい評価を得られるサイトづくりをおこなっていないと、ユーザーによっては下位に追いやられてしまうことにつながります。
したがって、上位に表示されるよう対策をおこなうとともに、そのサイトがユーザーにとって、使いやすく、魅力的なものでないといけません。価値のないサイトが上位に上がってくることは、ユーザーにとっても、Googleにとっても許し難いことなのです。
前回取り上げた「サテライトサイト」は、そこに中身があれば、有効なサイトといえるのでしょうね。
上位に表示させるだけがSEOではない。
検索エンジンに最適化するということは、ユーザーのニーズに応えられるだけの資質がないといけない。
このように覚えていただいてもいいのではないかと思います。
今回の写真は、兵庫県立美術館から。