危機対応広報
[臼井 友章]
5月5日に起こったエキスポランドのジェットコースター脱線事故では、定期的に実施すべき安全点検が実施されていなかったなど、管理面での問題が指摘されていますが、今回はこうした事故が発生した際の広報について考えてみたいと思います。
安全対策は発生しうる危険と、危険回避のためのコストのバランスの上に成り立つと考えた場合、どんなに対策をしていたとしても、残念ながら一定の確率で事故は発生します。その意味で、どの企業においても、事故発生時の対応については準備をしておく必要があるといえます。
事故発生時の対応として考えるべきは、
1. 現在の状況と将来の見通しを明らかにすること
2. 事故の被害者に対する対応とそれ以外の一般市民に対する対応を行うこと
だと思います。
事故発生直後は、情報が錯綜し、現場にも情報がない状態です。刻々と変化する状況の中で何を伝えるかが危機対応広報のスタートとなります。その際に考えるべきことが、上の2点です。
今回の事故では、当日の夜にはエキスポランドのホームページがお詫びに書き換えられており、迅速な対応ができていたといえますが、書き換えられた直後には、翌日以降の営業について触れられていなかった(現在は記載があります)点が不十分だったといえます。レジャー施設の場合、事故直後でも入園を予定している人がいる以上、こうした情報はいち早く伝えるべきだと思います。
また、情報を更新した場合には、日付だけでなく、時刻もあわせて記入し、また、追記があったのであれば、その内容を明記することが必要だと思います。日付や時刻の記載がないままで更新が行われた場合、情報の受け手からすれば、情報の鮮度が把握できないだけでなく、都合の悪い情報が隠されたのではないか、との疑念を抱くことにもなりかねません。事故発生時には、通常時以上に情報を公開することに意識を向けるべきだと思います。